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2023/11/13
FEMS Microbiology Lettersに共著論文「Direct contact of fermented rice bran beds promotes food-to-hand transmission of lactic acid bacteria」が採録されました。
Authors: Ryo Niwa, Dominique Chen, Young ah Seong, Kazuhiro Jo, Kohei Ito
要約(日本語訳)
個人間で大きく異なる皮膚マイクロバイオームは、人間の健康に重要な役割を果たしている。また、それは発酵食品の調理を含むさまざまな形で環境と相互作用している。ぬか床は、日本の伝統的な発酵食品であり、乳酸菌を利用して野菜を発酵させた漬物である。ぬか床の準備や手入れの際には、素手で混ぜるのが一般的である。ぬか床と人間の皮膚との相互作用は知られているが、それがぬか床の品質や皮膚マイクロバイオームに与える影響については、これまで研究されてこなかった。本研究では、ぬか床の手入れ中に生じるこれらの影響を検証した。3名の参加者に対し、市販の熟成段階にあるぬか床を14日間素手でかき混ぜ、その後の14日間はかき混ぜないよう指示し、微生物の定着と脱落を観察した。皮膚およびぬか床のマイクロバイオーム解析を行った結果、ぬか床由来の微生物が一時的に人間の皮膚に定着するものの、速やかに脱落することが明らかになった。素手でぬか床を混ぜる行為は、皮膚マイクロバイオームに短期的な影響を及ぼす可能性がある。本研究は、日本の伝統的発酵食品における人間と食品マイクロバイオーム間の「コミュニケーション」に新たな知見をもたらすものである。