Nukabot (2019~)
Ferment Media Research(ドミニク・チェン、ソンヨンア、城一裕、小倉ヒラク、守屋輝一、三谷悠人、関谷直任)
Nukabotは、ドミニク・チェンが誤って自らのぬか床を駄目にしてしまった経験と、「発酵微生物の声を聞いてみたい」という思いから生まれた作品である。2019年の第22回ミラノ・トリエンナーレで初公開され、その後ALIFE 2019での展示を経て、複数回の展示と実験を重ねながら、4世代にわたるデザインへと発展してきた。
クラウド上のデータベースに常時接続された各種センサーが、pH、酸化還元電位(ORP)、各種ガスなどの化学データをリアルタイムで計測し、発酵の状態を検出する。Nukabotは人間からの問いかけに音声で応答するだけでなく、必要に応じて人間に手入れを促すこともある。
このデザインを通した研究のプロセスを通じて、私たちは二つの重要な概念を提案した。一つは、利用者をシステムに依存させることを目的としない「卒業可能なテクノロジー(graduatable technology)」であり、もう一つは、人間の話し方や微生物の活動に応じてシステム自身の振る舞いが変化する「発酵に基づくデザイン(fermentation-based design)」である。
Nukabotの世代ごとの進化
第4世代Nukabot 日本科学未来館(2022年4月~2023年9月)で展示。磁器製の本体は、薩摩焼の陶芸家・城雅典によって制作された。
Nukabotの外観と内部構造 1年4か月にわたる展示期間中、ぬか床(米ぬか・塩・水を混ぜた発酵床)は、科学未来館のスタッフと研究チームによって継続的に手入れ・管理された。
Nukabotのシステム構成図
第3世代Nukabot 21_21 DESIGN SIGHT「traNslatioNs - Understanding Misunderstanding」で展示。
人間・微生物叢・Nukabotの三者関係
